2012年7月13日金曜日

違法ダウンロードの刑事罰化について。

本日、個人のFBタイムラインで呟きましたが、すごい法律ができました。決して悪口言うつもりは無いのですが、あまりにザル法律なんで、微力ながら、ほんのちょっとコメントしたいと思います。

ちなみに、この法律は、著作権とかをなんとかネットからも守るために作られているので、文化庁の想いは理解できますよー。作ったもの乱用されたりしたら、そりゃいやだもんね。

どういった法律なのか?わかりやすく説明したPDFがあったので、ここにリンクを貼っておきますね。

違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A


http://www.bunka.go.jp/chosakuken/download_qa/index.html

こちらの資料、よく出来てません。よくわからない人混乱して、ネットで何にも出来なくなっちゃうよ!!
改正された法律でズルする人はいいとして、損する人はよろしくないので、何が違法かを説明していきたいと思います。てか、あったりまえのことですが、

  • 決まった(決められてる)金は払う
  • 人のものは盗まない
  • インターネットは自由空間じゃないよ!
ってことが守れる人は、そんなに困る話じゃないです。今までどおりで大丈夫ですからね~。

もう長くなるんで、ブログの結論言っちゃいますと
違法ダウンロード法曰く「ネットで万引きすんなゴルァ」
で、リンクのPDFは「パソコンやケータイで何やっちゃったら万引きか?の線引き」です。

ただそのネットでの万引きの線引きがあいまいすぎるので長~くご説明します。
普通にネットを楽しんでれば、まず引っかかりませんが、たま~に引っかかっちゃったりしたら面白くないだろうし、Teaching-Netにも関係ないわけじゃないので、ひまなひと読んでね☆


Q. いつ出来たんですか?

平成24年の通常国会での著作権法一部改正案の審議の過程において、いわゆる「違法ダウンロード」ってのを刑事的に取り締まろうぜ!ってことで、今年の6月に可決、成立したのです。

Q. なんでこんな法律ができたの?

音楽とか、動画とか画像って作曲家さんや歌手の人、芸術家の人たちが、丹精こめて作った”作品”ですよね。そういった人たちは、それを聞いてもらう・見てもらうとかして、ご飯を食べるお金をもらっているのです。
パソコンが登場して(ホントはそのちょっと前から)、音楽も動画も画像も、もちろん文章もどんどんデータ化していったんですね。おかげで仕事が速くなりました。

昔はテープに借りてきたCD録音するだけで、ちょっと音質が落ちてたりしましたよね。
パソコン(データ)のすごいところは、ほぼ劣化なしで、こういた情報(画像とか音楽とか)をコピーできてしまうところで、作った人が「タダでイイよー」って言えば、同じ物をいくらでも作ることが出来ちゃうんですね。

そんでいつから普及したんですかね?音楽をCDで聞かなくなっちゃっいましたよね。音楽を配信する業者さん(iTunesとか)なんかががんばっていろんなセキュリティーやきまりで、CDと同じように音楽を私たちに”売ってくれる”市場を作ってくれました。

そんな音楽や動画を売る市場の正規のルート(←現実世界ならお店のレジですね)じゃ無いところでホントはお金を取らなくちゃいけない※1音楽や動画といった情報をばら撒いちゃう輩が増えてきたから、こりゃいけねえ!ってなってちゃんと”違法ダウンロード”として法規制することにしたんです。

※1モノを作った以上は著作権というのは作り手にあることになります。そんでそこから配布する、コピーする、売る、放送する、使うって、いろんな権利があるんです(配布・複製・販売・放送・使用権とかいろいろ)。本人がこの僕が作った動画はお金払わないと観れませんよ!って作り手が決めたら、それを観る人はお金払わないといけない世の中なんですよ。ホントはもっといろいろ工程があるけど、こんなもんで割愛。

Q. 誰が損して、誰が得してたんですか?

損してたのは、有名なのはCD買ってもらえなかったり、正規ルートのダウンロードが伸びなかった音楽会社さんがニュースでは有名ですよね。あとは映画の出版会社さんなんかは、一時期はやった”海賊版DVD”ってどっかでコピーしたDVDを安値で売られてたりしたせいで損したはずです。
得したのは、安値でそういったものを手に入れたり、一切お金なんか払わずにそういったものを手に入れた私たちですかね?

実際にモノを作った人には、「あんまりだ!!」って話で、仕事はしやすくなって良かったんだか、でも同じ道具のせいでそんしてるから悪かったんだか…。



ここからするお話は、条文を読んだら突っ込みどころ満載だったんでいちいち突っ込まず、かいつまんでお話します。

Q. まず何したら法律違反ですか?

これは簡単です。違法なファイルをダウンロードして保存したらアウト※2です。それを配布したらもっとアウト※3
って違法なファイル分からないよね…。むやみやたらにダウンロードしまくらないのがいいんだけど、そんなことしたらこの業界、縮んじまう…!
まず、アップロードした人を裁くべきだけど、この法律に殉じるならばならばこうなるか。


※2「ダウンロード」って言葉節を突っつかれると痛いのでこう言っときます。
※3アップロードはもっと前に規制されてますけど、つかまった人少ないよね。40億のiPからやばいやつら探すんだから無理も無いか。


Q. 適正なインターネット送信かどうかはどのように判断すればいい?

「エルマーク」というマークが表示されているところは、大丈夫です。このマークが目印です。

政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200908/2.html


…って見ませんよ!トップページの上位コンテンツに貼ってあんのか?ダウンする時ページにあるのか?どっちにしてもユーザー守る気ないきがする。これのコピーがあったらどうすんの?


ただ、このマークを堂々と出しているところは、大丈夫です。レコード会社と契約しないともらえないマークみたい。こっそり出しているところは怪しいかも…。いや違法でダウンしてないからわからん。iTunesストアみたいな大手は別として、音楽を配信(発信)する人はたくさんいるはず。そういう人たちにもこのマークが信頼の証というのであれば配布するべきだし、じゃないと風評被害受けちゃわない?

Q. 違法にアップロードされたやつを見た場合は、罰せされてしまうのですか?

大丈夫です。こんなこととで罰せられてたまるか!って話です。ですが、これをいいことに法律の隙間を突っつくようなサービスが出てくるかもしれません。Ustとかニコ生で、テレビの前にカメラ置いたら、、、。これはセーフなんですよね。僕は違法だと思うが。

Q. Youtubeとかのキャッシュは違法ですか?

違法ではないよ!これ違法だと、動画サイトとかネットラジオとか無くなるよ!
いやらしい話ですが、ミラーリングしてたらどうなんすか?これ。ミラーリングって、電子計算機における著作物利用に伴う複製ではなくて個人で設定するもんだから…(揚げ足取りだやめる。)

Q. 友人から送信されたメールに、コピーした音楽データの(個人で楽しむ範囲)のダウンロードURL(もしくはファイル)が添付されてきました。これを保存すると違法ですか?

違法じゃないです。当然です。写メとか出来なくなっちゃうし。
今回の法律の範囲は、あくまで「自動公衆送信からの受信」を指すので、メールみたいに特定の人物(範囲)への送信は規制の外側です。
とはいうものの、これはこれで同様にそのメールが出回ったら大変ですよね。「コピーモノですがここのURLで、A○B48のヘビーローテーションがダウンできるからね。」ってメールはセーフってことですよね。
でもこれだと、ある程度のクローズドなコミュニティの中であれば、公開可能ってことでもあり。
たとえばそのメール4~5人に送りましたって言っても、鼠算式に増えていくわけで、、、。
揚げ足取られそう。。。

Q. 個人で楽しむためにインターネット上の画像ファイルをダウンロードしたり、テキストをコピー&ペーストしたりする行為は刑罰の対象になるの?

これも違法じゃないです。
画像やテキストのコピー&ペーストは、違法ダウンロード規正法の中で言う「デジタルコンテンツの録画・録音」に該当しないので、違法対象になりません。但し、あくまでも個人で楽しむ範囲を超えた場合のみ罪にあたるとしているので、テキストのコピペも勝手にやったら罰せられる場合があります。つまりあれだ、このブログ記事にも著作権があるってことか。

Q. 規制が増えたってこと?

規制が増えたというよりはきちんと明文化して、法律にしたのです。元から違法ダウンロードは違法ダウンロードです。
とは言うものの、けっこうあいまいですぞ。

Q. 規制がはっきりすることで、よく分からないってユーザーは何やっちゃったら罰せられるかびくびくです。どうしてくれるんですか?

大丈夫です。違法ダウンロード規制法っていうのは、「へへへ、悪いことしてやろうwwwwあの歌手の曲コピって、うちのサイトにアップしてタダでばら撒いてやんぜ。」ってつもりの人と「おっしゃ、違法ファイルはど~こかな~?見っけた!俺は今違法にアップロードされたファイルをダウンロードしているんだ!」って人を対象としています。「そんなこと分からなかった…、ごめんなさい」って人は罰則の対象とはなりません。
私たち法律を作っている人間も、皆さんがインターネット怖いよーってなってしまう活動とかはしちゃいけないことになってるんですよ。
だから安心してご利用ください。


ここまで配布されたPDFの話してきましたが、ある程度の倫理観・道徳観、あったりまえの事を捨て去って、この法律の穴を言いますと、
A:結局のところ問い詰められたら、白を切ればいい
ということになってしまいますね。

もちろん、疑われている時点で、警察様も馬鹿じゃない。悪いことして嘘を突き通せるほど世の中甘くないはず。白を切ってもすぐばれるでしょう。
でも、そのバレるにいたるまでのグレーゾーンが余りに広い範囲過ぎて、黒かどうか誰が判断できるんでしょうか?
何か、コピーのウラを取れる新装置が開発でもされたのでしょうか?

僕にはなんとも、申し訳程度に「とりあえず明文化しただけの法律」にしか感じられず、根本の解決にはちーともなってないようにしか思えません。

以前の【インターネットを知る前に】という記事でサーバーは現実世界でいう広場のようなものと説明しました。
今この法律が出来るきっかけとして問題とされているのは、とある広場で売っていた商品が、勝手にコピーされて別のところで売られたり、タダで配布されてたりすることです。お店のレジを通さず、店の裏とかで、「ハイこのデータ上げるね~」ってやってることが問題なんですけどね。
冒頭にも言いましたが、この法律はネットでの万引き防止のための法律です。根本の解決にはちっともなってないことは簡単に分かりますよね。

違法なファイルをやり取りする人ってのは、「なんだかわかんないけど、タダならいいベー」って人が大半です。その中に、ごく一部超絶詳しい人もいますが、彼らも特に「悪いことしてやるぜ!」って思想なんかなく、ただ”タダ”のファイルをやり取りしているだけです。
悪意をもって違法ダウンロードを行う人なんて1%いるのかしら?

私は今まで、「万引き」だけはやったことはありません。酔いつぶれて警察のお世話になっても店のものを盗んで出て行ったことだけは無いです。どんなに小額でも。

これは小さいころからそう教わってきたってだけで、ちょうど家の周りの店が、超高性能セキュリティ設備を搭載していたからではありません。こんなの当然か。

僕は思うんですけど、今回の法律だけじゃなく、アップロードの規制も、学校でのインターネット教育も、どうもネットを”バーチャルな別世界”のように捉えがちじゃないのかな~って感じがします。あやふやなところは規制の嵐、分からないところは全放置。とにかくパソコンって箱を使ったインターネットってあやふやなものを、使えりゃそれでいいや程度にしか思ってない気がします。
一市民がこう思うのはいいと思うけど、国として取り締まるってのなら、もっと最初に「何を教えるべきか?」を子育てのように考えていくべきじゃないでしょうか?
「人様のデータにはお金払うんだよ!」って。

この法律は、口が悪くて申し訳ないけど、育児放棄した親のような法律だな~と感じました。

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